モンゴル系の人たちの名前には、いくつかのバリエーションがあります。チベット語(おもに仏教用語)から取り入れた名前、ロシア語から取り入れた名前(モンゴル国にいる)、中国人と同じく、漢字の意味を重視した名前(中国内モンゴルで見られる)、そしてモンゴル語の単語から作られた名前。
(あくまで印象ですが)世代・地域によってさまざまな傾向があるように感じます。たとえばぼくが調査に行っている村では、中年層以上の世代ではチベット語名が多く、中年層には共産主義的単語(闘争とか)が使われた名前もあり、いまの子どもたちはチベット語名もいるけれど、モンゴル語の「いい印象(「喜び」とか「花」とか「太陽」とか「美」とか)」の単語が使われる例も多くなってきているようです。
チベット語名が多いのは、チベット仏教のお坊さんに名づけてもらう習慣があったからです。ま、いろいろな政治的要因でそういうことができなかった時期もありましたが、いまもお坊さんに名づけてもらうケースがあるようです。
で、モンゴル人の名前というと、しばしば話題にあがることがあるのが「あえて珍名をつける」というもの。これは、悪霊に幼い子が狙われるのを避けるため、あえて奇妙な名前をつけるのだそうです。
こうした「珍名系」の名前には、「文」がそのまま名前になっている例も見られます。てもとにあるСэржээ, Ж. (1991) Монгол Хүний Нэр. Шинжлэх Ухааны Хэвлэл.(セルジェー『モンゴル人の名前』)には、こうした名前の例が取り上げられています。いくつか例をあげてみましょう。
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